ビジネスや冠婚葬祭の場面で使われる「御礼申し上げます」は、丁寧な感謝の気持ちを伝える表現として非常に重要です。しかし、その正しい読み方や使い方、他の言い換え表現との違いを理解していないと、誤解を招いたり失礼にあたることもあります。
この記事では、「御礼申し上げます」の正しい読み方と意味をはじめ、公用文やスピーチ、メール、葬儀などさまざまなシーンでの適切な使い方について詳しく解説していきます。
この記事でわかること
- 「御礼申し上げます」の正しい読み方と意味
- ビジネスや公的な場面での使い方と注意点
- 「厚く御礼申し上げます」や他の言い換え表現との違い
- 実際に使える例文とマナーのポイント
御礼申し上げますの読み方と意味をわかりやすく解説
「御礼申し上げます」は、格式の高い場面でも使える丁寧な感謝表現です。ここでは、まずその正しい読み方から始まり、言葉が持つ意味、使用される具体的なシーンまでを順に見ていきます。また、類似表現である「謝辞」との違いや、ビジネスやメール、公的文書での使い方にも触れていきます。初歩から実践的な知識までを整理して理解を深めていきましょう。
御礼申し上げますの正しい読み方とは?
「御礼申し上げます」という表現は、漢字が多く含まれているため、読み方に不安を感じる方も多いかもしれません。正しい読み方は 「おんれいもうしあげます」 です。
この表現は、非常に丁寧な敬語であり、特にフォーマルな場面で使用されることが多いのが特徴です。「御礼(おんれい)」は「感謝の気持ち」を意味し、「申し上げます」は「言う」の謙譲語で、相手への敬意を示す言葉です。つまり、「感謝の気持ちを丁寧に伝える」という意味になります。
読み間違いや発音の不安がある場合は、音声読み上げ機能のある辞書サイトやYouTube動画などで確認すると安心です。日常会話で頻繁に使う表現ではありませんが、ビジネスや冠婚葬祭などの場では自然と使われることが多いため、正しい読み方を身につけておくと信頼感がアップします。
御礼申し上げますの意味と使われるシーン
「御礼申し上げます」は、日常的な「ありがとう」とは異なり、より改まった場面で使用される敬語表現です。意味としては、「心から感謝の気持ちを伝える」というもので、特に相手に対して深い敬意を込めて使うことがポイントです。
この言葉が使われるシーンは主に以下のようなフォーマルな場です:
- 取引先やお客様へのビジネスメール
- 結婚式や葬儀などの挨拶文
- 公的文書や表彰状など
- スピーチや謝辞の冒頭や締めくくり
- のしや手紙の文面
たとえば、ビジネスメールでは「この度は格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。」のように使用されることがあります。
このように、「御礼申し上げます」は感謝の気持ちを最大限に丁寧に伝えたい場面で活用されるのが特徴です。使う場面によっては、「心からの感謝を表す信頼の証」として相手に好印象を与えることができます。
「謝辞」と「御礼申し上げます」の違い
「謝辞」と「御礼申し上げます」は、どちらも感謝の気持ちを伝える言葉ですが、使い方やニュアンスには明確な違いがあります。
まず、「謝辞」とは、公の場で述べる感謝の言葉そのものを指します。スピーチや式典などで、「最後に謝辞を述べさせていただきます」といった形で使われます。これは、感謝の意を表す“行為”にフォーカスがあるのが特徴です。
一方、「御礼申し上げます」は、感謝の気持ちを丁寧に伝える文言であり、文章や口頭で直接的に使われる表現です。たとえば、「この度はご尽力を賜り、心より御礼申し上げます」のように、相手に対して深く敬意を払いつつ感謝を述べます。
つまり、「謝辞」はスピーチや文章の中で使う構成要素の名前、「御礼申し上げます」はその中身にあたる具体的なフレーズという位置づけです。
このように、シーンや目的に応じて言葉を選ぶことが、より正確で品のある日本語表現に繋がります。
ビジネスにおける使い方のポイント
「御礼申し上げます」は、ビジネスの世界で非常に重宝される敬語表現の一つです。特に取引先や顧客とのやり取りにおいて、信頼関係を築くためには、丁寧で誠意のある言葉選びが欠かせません。
ビジネスメールにおける使い方としては、以下のような文例が代表的です:
- 「この度はご協力を賜り、誠に御礼申し上げます。」
- 「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
ここでのポイントは、状況に応じて前後の文脈を整えることです。たとえば、商談が成立した後のメールでは「この度はご契約いただき、心より御礼申し上げます。」と書くことで、ビジネスマナーを守りながら感謝の意を表せます。
また、「御礼申し上げます」はやや堅い表現のため、社内メールなどのカジュアルなやり取りでは「ありがとうございます」などに言い換えるのが自然です。
ビジネスシーンでこの表現を正しく使いこなすことで、あなたの言葉遣いに信頼と品格をプラスすることができます。
公用文・スピーチ・のしでの使い分け方
「御礼申し上げます」は、さまざまなフォーマルな場面で使える便利な表現ですが、公用文・スピーチ・のしなど、それぞれの場面に応じて微妙な使い分けが求められます。
まず、公用文においては、文体の一貫性と正確性が重視されます。たとえば、行政文書や公式なお知らせの末尾に「皆様のご理解とご協力に、心より御礼申し上げます。」といった丁寧で格式ある表現がよく用いられます。
次に、スピーチの場合は、話し手の心情を込めやすい場面です。結婚式や卒業式、会社の周年行事などでは、「本日はご多忙の中ご臨席賜り、誠に御礼申し上げます。」というように、参加者への感謝を温かく伝える一文として使われます。
そして、のし(熨斗)の表書きに使う場合は、限られた文字数の中で簡潔に感謝を伝える必要があります。「御礼」または「御礼申し上げます」と書くことが一般的ですが、スペースが限られるため、簡潔な「御礼」とするのが主流です。ただし、文章内には「この度はご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。」といった丁寧な表現を添えると、より誠意が伝わります。
このように、目的や状況に応じて「御礼申し上げます」の使い方を柔軟に変えることで、言葉の印象をより良くすることができます。
メールでの「御礼申し上げます」の使い方
ビジネスやプライベートを問わず、メールで感謝の気持ちを伝える場面は多くあります。その中でも「御礼申し上げます」は、丁寧で信頼感を与える表現として非常に有効です。
まず、メール冒頭での使い方としては、以下のようなフレーズがよく見られます。
- 「この度は◯◯の件につきまして、ご尽力いただき、心より御礼申し上げます。」
- 「平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」
注意点としては、文章全体のトーンを統一することが重要です。「御礼申し上げます」のような格式の高い表現を使う場合は、前後の文章も同様に丁寧語や謙譲語で整える必要があります。
また、メールの締めくくりに使う場合は、
- 「今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、御礼申し上げます。」
- 「引き続きご指導のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。」
といったように、次の関係性に繋がるような文脈を意識すると、より丁寧で印象深いメールになります。
御礼申し上げますの具体的な使い方と例文集
ここでは「御礼申し上げます」を実際にどのように使えばよいかを、より具体的に解説していきます。葬儀などのフォーマルな場面での注意点をはじめ、「厚く御礼申し上げます」といった表現のニュアンスの違い、適切な言い換え、そしてすぐに使える例文までを紹介します。実践的な活用方法を知ることで、場面にふさわしい言葉遣いができるようになります。
葬儀での御礼表現と注意点
葬儀という場面では、言葉選びが非常に重要になります。「御礼申し上げます」という表現も、丁寧で失礼のない感謝の言葉としてよく使われますが、使用する際にはいくつかの注意点があります。
まず、葬儀に参列してくださった方々への感謝を伝える言葉として、「ご多用の中、ご会葬賜り、厚く御礼申し上げます。」という一文がよく使われます。
また、香典返しの添え状や挨拶状にも、「生前中に賜りましたご厚情に対し、謹んで御礼申し上げます。」といった文面が使用されます。ここでは、形式的な要素が強く、感情を過度に表に出さず、品位ある言葉遣いが求められます。
注意すべき点として、「お礼」や「ありがとうございます」といったカジュアルな表現は避けるのがマナーです。
「厚く御礼申し上げます」の意味と使い方
「厚く御礼申し上げます」という表現は、日常会話ではあまり登場しませんが、ビジネスや儀礼的な文書でよく使われる、感謝の度合いを強めて表す敬語表現です。
まず、「厚く」とは「深く」「心から」といった意味を持ち、単なる「御礼申し上げます」よりも感謝の気持ちが強調されます。
使用シーンとしては以下のような文面が挙げられます:
- 「この度は格別のご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。」
- 「多大なるご協力に対し、厚く御礼申し上げます。」
この表現は、特に目上の方や取引先に向けて、正式な場面で使用されます。メール、文書、スピーチなど、どの媒体でも使える万能な表現ですが、文全体の語調と統一感を持たせることが大切です。
「御礼申し上げます」の言い換え表現
「御礼申し上げます」は非常に丁寧な敬語表現ですが、場面や相手との関係性によっては、別の表現に言い換えた方が適切な場合もあります。
以下に主な言い換え表現を紹介します。
- 感謝申し上げます
- 深く感謝いたします
- 心より御礼申し上げます
- 厚く御礼申し上げます
- ありがとうございました
言い換えの選択肢を増やしておくことで、場面に応じた適切な言葉遣いができるようになり、文章全体の印象も格段に向上します。
例文で学ぶ正しい使い方とマナー
具体的な使い方を理解するには、実際の例文を見るのが一番です。ここでは、「御礼申し上げます」を使用した自然な文章を紹介しながら、文脈に応じた適切なマナーや注意点も解説していきます。丁寧さや相手への配慮が求められる場面で、どのように言葉を選べばよいかを学んでいきましょう。
📩 ビジネスメールでの例文
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
今後とも変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
💌 お礼状での例文
この度は過分なお心遣いをいただき、心より御礼申し上げます。
今後ともご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
🗣️ スピーチでの例文
本日はご多忙のところご出席賜り、誠に御礼申し上げます。
皆様のご支援のもと、この日を迎えることができました。
まとめ
今回は、「御礼申し上げます」の正しい読み方と意味をはじめ、公用文やスピーチ、メール、葬儀などさまざまなシーンでの適切な使い方について解説してきました。
この記事のポイントをまとめます。
- 「御礼申し上げます」の読み方は「おんれいもうしあげます」である
- 意味は「深く感謝の意を伝える」丁寧な表現
- 「謝辞」は形式的な感謝、「御礼申し上げます」は実際の感謝を表す
- ビジネス文書では締めの挨拶や礼状で頻繁に使われる
- 公用文やスピーチ、のし書きなどでも使用される表現
- メールではやや堅めの印象だが、正式な場面では有効
- 葬儀では慎重に使う必要があり、言い回しに注意が必要
- 「厚く御礼申し上げます」は感謝の度合いを強調する表現
- 言い換え表現には「感謝申し上げます」「心よりお礼申し上げます」などがある
- 例文を通じて、場面ごとの適切な使い方が学べる
「御礼申し上げます」という表現は、丁寧で誠意を込めた感謝の気持ちを伝えるための重要な言葉です。日常のビジネスメールから公的なスピーチ、葬儀の挨拶まで幅広く使われるため、正しい読み方や意味、使い方を理解しておくことは社会人としての基本とも言えるでしょう。例文や言い換えも活用しながら、相手に伝わる言葉遣いを心がけていきたいものです。